2013年5月24日金曜日

勝手に同じ巣の鳥だと、ミクに言ってみる。

とんでもないモノを観てしまった。
Bunkamuraオーチャードホールにて、初音ミクによるオペラ『THE END』を観劇。
いまだに興奮、というより不思議な幸福感(あと少しの頭痛)につつまれております。

コンセプト/台本:渋谷慶一郎、岡田利規
共同演出:渋谷慶一郎、YKBX、岡田利規
出演:渋谷慶一郎、初音ミク

上演時間は約90分。でも、鶯の声みたいに、パッと聞こえその瞬間終わりました。

スタッフメンバーで知ってるのはチェルフィッチュの岡田氏と初音ミクだけ。メンバーの中に初音ミクというのがなんとも不思議で、なんだか嬉しくもあり。
シアターコクーンにはよく行きますが、オーチャードホールは初。
客層はやはり初音ミクファンが半分以上で、あとは舞台好きな人たちが少々って感じでした。なので、岡田氏特有の台詞まわしやカーテンコールなどに乗りきれていなかった感じが。ただ、全体の反応はいい感じ。

まばゆい閃光と超爆音にのせて初音ミクが死や自己を思考し、問答を繰り返すこの『THE END』。
自分はコレを観て、一つ確信しました。
舞台に人が立たない、または人がオマケであり、その他の存在が主役になる舞台作品群が一つの強く大きくふといジャンルとなる日がくるって。
それは、鷹と人間が出会って放鷹文化が生まれたのと同じで、舞台人と初音ミクが出会えば新しい文化が生まれる、それはもうどうしようもないことだと、今回強く思わされました。人の力も大切だけど、人間一人の力では表現できないこともあるわけで。
去年、自分は英国鳥人図書館旗揚げ直前公演として、文字だけのプロジェクター演劇をつくっていました。なので当時、初音ミクでオペラと聞いた瞬間、やられた!!と同時にやはり、という気持ちになりました。やっと、新しい表現ジャンルが、まだ卵だけど産まれたって、嬉しく思ったのを思い出しました。

ああ、まだ気分は雲の中。まだまだ降りられなさそう。
コレについてはまた書こうと思います。
では。


ーオマケー
『THE END』には鳥が出てきます。やはり初音ミクと鳥は相性がいいかも。
あーあ、うちの劇団にもミク出てくれないかな〜(笑)





2013年5月23日木曜日

アジア温泉

毎年夏なんか来ずに一足飛びに秋が来れば良いと思ってます。
無慈悲な紫外線よ…(´Д` )

新国立劇場へ「アジア温泉」を観に行きました。
韓国と日本の共同製作で、両国の俳優さんたちが出演されている作品。
客席の形(放射状)の所為で声が聞き取りづらく、この劇場に慣れてる役者ならともかく、慣れてない人だとやはり響いちゃって…(勝村政信さんの声が聞き取りづらいとは…Oh…)
日本の舞台女優さんって、演出家の好みもあるんでしょうが、結構型にハマった芝居をしている人が多いけれど、韓国の女優さんは自然体で何物にも染まっていない感じが良かった。
舞台用に声を高く作っていない感じとか。
(野田さんとかって、物凄く女優殺しだと思うのです…記号化されているというか。それがなくて、ちゃんと生身の役者が演じてるっていう感じなんです)

日本側の兄弟役のふたりがとても良かった。ドラムと太鼓(?)でぶつかり合うところとか。
「春琴」観たくなりましたね(元から観たかったね)。
特に勝村さんはやはり悲劇役者だなあというところ。舞台観て泣くことってないんですが、何度かうるっと来てた(笑)

1幕はう〜んというところだったんですが、2幕で話がどっと動いてからは、まあありきたりな話ではあるけど引き込まれました。
カーテンコールでの勝村さんのサービス精神たるや。見習いたい〜

次は何観られるかな〜と思ってたけど、はえぎわ「ガラパコスパコス」観るんでした。
ままごとの作・演出の柴さんが役者をやるだと…??(この間はピアノ弾いてたしなあ…)

2013年5月17日金曜日

百禽を聞きながら。

ポスターの打ち合わせ、その他色々ぜっさん進行中でございます。
お楽しみに。
戯曲を渡すタイミングがなく、なかなか稽古に入れない今日この頃。
体の演技がないぶん、声や雰囲気をうまく構成しないといけないんですが、まあそれは練習量ではなく、演者が練習で何を得られるか、体験できるかが重要。大切なのは、やはりその人の説得力かと。

ではまた。


2013年5月12日日曜日

ヘンリー四世の朝がある

こんにちはつぐみんです。

1ヶ月くらい前ですが、荻島氏が急遽行けなくなってしまったとのことで私が代わりに「ヘンリー四世」観てきました。
蜷川演出最近よく観てる気がする…(そんなこともない)
松坂桃李さんが主演ということで客層が若い。圧倒的に女性が多かった…
舞台装置はシンプルで、さいたま芸術劇場の奥行きを活かしてます。
冒頭、ヘンリー四世が舞台1番奥から現れるところは、歴史劇として時間を感じたり。
鋼太郎さんは重厚なイメージだったのでこんなコミカルで適当な役も出来るのかと驚き。
木場さんの存在感はやはり舞台の軸となりますね。
松坂さんは父王が死去したと思い込んでの独白がしっかり稽古積んだのだなあと思ったり。まだ舞台役者として伸びしろがあると思います。



で、昨日はままごと「朝がある」弾き語りバージョンへ。
去年の三鷹での初演を観ていたのですが、その時は凄く(アフタートークで演出家も言っていましたが)突き放すような感じだったのが、全国ツアーで初めて演劇に触れる人に観てもらうことを意識してか、観客へ投げかけるタイプの芝居になっていました。
今年は劇場に依らない芝居に重点を置いてやっているからか、大石さん自身が凄くしなやかにお客さんに対応して出来ているように思います。
バッハ「目覚めよと呼ぶ声が聞こえる」のカタルシスたるや。
この曲がさわやかである程、布団の中へ戻ってきてしまう「僕」(初演では「俺」だったと記憶)のつらみが重くなっていくように思えます。
柴さんがピアノ弾いてました。わお。
アフタートークにて「『わが星』みたいなのを観にきたのにこんな芝居かよ!と思われる方も多いみたいですね。でも凄くアンチドラマだったときに作った作品なので…」とのこと。
人が死んだり、あったものがなくなったりすることでのドラマ的な感傷が嫌だから、時間を止めてしまえば誰も死なないし何もなくならないじゃないか、といことで生まれた作品だそうです。なるほど。

2013年5月9日木曜日

速報!!

新作について、決定したことを以下書いていきます。

英国鳥人図書館 旗揚げ配信公演

『黄金の森/銀鉤の溝』

作/演出 荻島大河
作曲/演奏/声 しずくだうみ
声 しずくだつぐみ
配信開始 8月予定

『黄金の森』はつぐみが、『銀鉤の溝』はうみが声を担当します。
朗読劇でもなく、演劇でもない、誰もが深く抱えるイメージを呼び覚ます世界を構成していきたいと思っています。
追加情報についてはまたブログで発表していきます。

ではまた。




2013年5月4日土曜日

トリノホシをおもって。

こんばんは。
まあ人によって読む時間が違うので挨拶はなんでもよいのか。

新作の準備はちゃくちゃくと進んでおり、今は出演メンバーを決めている最中。なかなか斬新なメンバー(?)での公演になりそうです。

さて、新作の話は来週に発表するとして、ちょっと関係のない小話を一つ。

よく鳥のように飛びたいと言う人がいるけど、鳥は飛ぶのにそれはドえらいエネルギーをつかっている。
だから、楽をしたいから飛びたい、
ただ空をただよいたいから、
そんな理由で翼を求めちゃいけない。
それは鳥に失礼だし、そんな奴は飛べてもすぐに、翼を捨てて林や水中に逃げるだろう。
ただもし、死ぬのがこわいから、鳥のように飛びたいと思う人がいるなら、
その人なら、
鳥と一緒に飛べるかもしれない。
そして綺麗に、無残に風に成れるかもしれない。
鳥はいつでも、生きることしか頭にないから。
ま、鴉は例外だけどね。

っていう話でした。
ではまた。