2012年12月18日火曜日

ドクロとトリ。

今年最後の観劇となる、『祈りと怪物 〜ウィルヴィルの三姉妹〜KERA version 』をシアターコクーンにて観劇してきた。
上演時間約4時間ちょっとの舞台だったが、そこは作/演出のケラリーノ・サンドロヴィッチ氏の見事な筆さばき、数多に沸き上がるキャラクター達を見事に蠢かし、観客の集中力を持続させつつ終幕までズリずリリと、引っ張っていた。ところどころ〝ある音〟のせいで集中力が分散される箇所があったが、まあ好みによって評価の別れるところだろう。この事についてはいつか。
さて、今回自分が1番目を惹かれたのは、なんといっても舞台映像&小道具だろう。近頃話題の映像表現がつかわれていたり、一瞬しか登場しないキャラクター達の造形も素晴らしく、裏方の才能が全面に押し出されていて羨ましい限りだった。まあ、鳥が表現されていたっていうのが、1番の理由なんだがね。。
戯曲については、むうと思う部分が多々あったが、それはこの作品を次に上演する蜷川幸雄氏へのいらぬ考慮が影響していると思う。無理にやりやすい形にする必要はないと思うのだが。。結局、全てはギリシャアの土埃にまみれて終わりって感じで、ちょっとせつない。専門的に講義を受けた自分だから思う〝むう〟なのかはわからないが、やはり勉強って大切だなとあらためて、痛いほど感じて、実際胃が痛い。
まあそんな事を言っときながら、来年の鳥人図書館では、フランスの土にまみれた舞台が完成しそうです。